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fumiko先生のキモノ手帖

ゆかしい「きもの」を軸にして、季節の行事と日本のしきたり、お茶、日本舞踊、能などについて、日々の発見や思いをつづります。     小さな「きもの教室」(難波市民学習センター)の、過去・現在・未来の生徒さんたちへの通信も兼ねて。
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 面や装束という「暗号」 

2016/10/22
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fumikoです。
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昨日は、夕方から朝陽会館に出かけました。
20161022 能楽講座チラシ

「試演葵上」でした。
(よろしければ10月17日「今は打たでは叶うまじ」もご覧ください)
試演ですので、般若以外は直面(ひためん=面を用いないこと)、装束はほぼ無し。

しずしずとお囃子や地謡が舞台に出てきて、後見が濃いピンクの縫箔(ぬいはく)を舞台正面手前に置き、始まりました。
これが葵上の象徴であることはお約束です。

ワキツレが出てきて巫女(ツレ)を紹介し、定位置につくと、何と狭い舞台は人だらけ。
およそ10人の男性が全員黒紋付きで、舞台にびっしりです。

すごいパワー!
存在自体に圧倒です。

六条御息所(前シテ)は、グレー着物+薄茶色袴の上に、白綾織り(?)壺折で登場。
直面(ひためん=面を用いないこと)。
鬘(かづら)の上に鱗模様鬘帯をしています。

シテは野村四郎さん(1936-)。
今年人間国宝に認定された、観世流の重鎮です。
橋がかりから登場すると、やはり、なんだか大きい!

ツレも直面。
お若いイケメンくん。

前シテもツレも面をつけないところが、試演の試演たるところ、とのこと。
そのことの是非はわかりません。
でも、役者の個性が身近に感じられたことは確かです。
普通の能楽より見やすいかも。

後シテは、緋長袴(ひのながばかま)に替えて登場。
緋長袴は、身分の高い女性の暗号です。

面は般若。
後シテだけは、般若を用いないわけにはいかないのでしょう。

般若は本当に不思議な面です。
怒りより、悲しみが強く感じられました。

演者のあごの角度で怒りと悲しみが交錯します。
演者の卓越した演技、お囃子と地謡のパワー、すべてのものが一つになって、何かが押し寄せて来る感じでした。

何度もゾッゾーと鳥肌だったんですよ。

最後は、打ち杖をぽとりと舞台に落として、おなかの前で中指をあわせるようなしぐさが印象的でした。
六条御息所は静かに成仏できたのですね。

葵上の生死は、もう、どうでも良くなりました。
紫式部には悪いけど、『源氏物語』とは完全に別物でした。




もう一度「葵上」が見てみたい、と強く思います。

20161017 六条御息所3
(資料:六条御息所前シテ)
黒地柄入り丸紋縫箔は、“女の怨霊”のスタンダードファッションです。


面や装束という「暗号」で完全にガードされた能楽。

「暗号」は解いてみたくなるものです。






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プロフィール


fumiko

Author:fumiko
1954年生まれ
大分県別府市出身
大阪市在住

【きもの教室(お抹茶つき)】
●開催日:月1回 Aクラス=火or木曜日 Bクラス=木曜日or金曜日 
●時間:18:45~21:00
●場所:大阪OCAT4階「大阪市立難波市民学習センター」和室
●内容:外出着の着装・お抹茶のいただき方 
●お問合せ:コメント欄をご利用ください。
※いつからでも始められます。始めた月から12ヶ月以上続けることをお薦めします。

【資格】
●公益社団法人全日本きものコンサルタント協会会員(1級きものコンサルタント) 
●表千家茶道講師
●中高教員免許(国語)

【趣味】
●きもの:2010年に装道礼法きもの学院大阪校入学。現在は礼法科に在籍。
●茶道:中2から始め、今も稽古に通っています。
●日本舞踊:若い頃に10年ほど稽古し、2013年再開。
●能鑑賞:2016年から積極的に見始めました。


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