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fumiko先生のキモノ手帖

ゆかしい「きもの」を軸にして、季節の行事と日本のしきたり、お茶、日本舞踊、能などについて、日々の発見や思いをつづります。     小さな「きもの教室」(難波市民学習センター)の、過去・現在・未来の生徒さんたちへの通信も兼ねて。
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 入唐渡天の夢破るるも 

2016/10/14
こんにちは。
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fumikoです。
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一週間ほど前に、「勝山織物」周山工房と、栂尾「高山寺」に行きました。
(よろしければ10月7日「勝山に里帰り」、8日「お茶の聖地栂尾山高山寺」もご覧ください。)

そこでいただいた「九州国立博物館」特別展用パンフレットを見ていると、「高山寺」中興の祖の明恵さん(1173-1232)が能楽に登場していることがわかりました。

へー、やっぱり明恵さん、人気があったんだー。

で、明恵さんの登場する能楽、「春日龍神(かすがりゅうじん)」です。


「春日龍神」

●主な登場人物
前シテ:宮守(老神職、実は時風秀行)
後シテ:猿沢池の龍神
ワキ:明恵上人

●あらすじ
天竺(てんじく=インド)の旅を決意した明恵上人(ワキ)が暇乞いのため春日大社に参詣する。
そこに老神職(前シテ)が現れ、「明恵上人は春日明神に可愛がられており、上人が旅立っては神も悲しまれるだろう」と言い、出発を思い留まるよう諭す。
20161008 明恵上人
(資料:前シテ)

老神職は、春日山は釈迦の聖跡・霊鷲山と同体であり、釈迦なき今となっては春日の地こそが仏教の聖地なのだと説く。

明恵が旅立ちを断念すると言うと、老神職は「この春日山に天竺の姿をうつし、釈迦の生涯を見せよう」と言い、「自分こそ昔春日明神に供奉した時風秀行(ときふうひでゆき)である」と明かすと、姿を消した。

夜を明かす明恵一行。
春日山が輝きはじめ、釈迦の説法の様子が眼前に再現される。
そこへ、竜神(後シテ)が現れて法会の座を荘厳し、明恵に釈迦の生涯を見せる。
20161008 春日龍神
(資料:後シテ=龍台、紅入厚板、法被・右肩抜く、半切、腰板、扇、打杖)
竜神明恵に旅立ちの意志がないことを改めて確認すると、猿沢池の底に消えていったのだった。

●みどころ
明恵は、興福寺をはじめとする南都(奈良)の仏教界に大きな影響を与えた僧で、当時乱れがちであった戒律を厳格にするなど、仏教の根本に立ち帰ろうという志を持った人物でした。
それゆえ、釈迦を強く思慕し、本作にも描かれている天竺への旅を実際に計画していました。
本作の成立した中世には、春日の地はそのまま仏教の聖地であると理解されていました。
本作はこの理解に基づいて書かれており、インドへ渡ろうとする明恵に対して「真の仏教は春日の地にあるのだ」と見せることが、本作の主題となっています。
(「銕仙会」ウェブサイトを参考にさせていただきました)


あら。
明恵さんは主人公ではなかったのね。
でも、明恵さんがすごい人だとみんなわかっているからこそ、その明恵さんを説得できる春日明神はさらにすごいなー、と実感できるのでしょう。

このときにインドに行かなかったから、栂尾高山寺で、明恵さんの文化サロンが花開いたわけです。
後鳥羽上皇には、石水院という学問所の建物を賜りました。
承久の乱(後鳥羽上皇は隠岐に流されました!)後は、第3代執権北条泰時の知遇も得て、「御成敗式目(ごせいばいしきもく)」の精神にも深く関わったらしいですよ。
これは江戸期を通じて強い影響を与え続ける法となります。
明恵さんの影響は、近世の法律にまで及んでいたと言えそうですね。


入唐渡天(にっとうとてん)の夢破るるも、法こそ後に継がれけれ。






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プロフィール


fumiko

Author:fumiko
1954年生まれ
大分県別府市出身
大阪市在住

【きもの教室(お抹茶つき)】
●開催日:月1回 Aクラス=火or木曜日 Bクラス=木曜日or金曜日 
●時間:18:45~21:00
●場所:大阪OCAT4階「大阪市立難波市民学習センター」和室
●内容:外出着の着装・お抹茶のいただき方 
●お問合せ:コメント欄をご利用ください。
※いつからでも始められます。始めた月から12ヶ月以上続けることをお薦めします。

【資格】
●公益社団法人全日本きものコンサルタント協会会員(1級きものコンサルタント) 
●表千家茶道講師
●中高教員免許(国語)

【趣味】
●きもの:2010年に装道礼法きもの学院大阪校入学。現在は礼法科に在籍。
●茶道:中2から始め、今も稽古に通っています。
●日本舞踊:若い頃に10年ほど稽古し、2013年再開。
●能鑑賞:2016年から積極的に見始めました。


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