fumiko先生のキモノ手帖

ゆかしい「きもの」を軸にして、季節の行事と日本のしきたり、お茶、日本舞踊、能などについて、日々の発見や思いをつづります。     小さな「きもの教室」(難波市民学習センター)の、過去・現在・未来の生徒さんたちへの通信も兼ねて。
2018/06 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 

 「十三夜」 美しき傍観者  

2016/10/13
こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。

fumikoです。
★スマホでご訪問の方は、PC版もご覧ください。プロフィールを掲載しています。


本日は、旧暦9月13日。
旧暦の8月15日の中秋の名月とともに、月を愛でる日です。

「十三夜」とか、「後の月(のちのつき)」と言います。
中秋の名月を愛でるのは中国から伝わった行事ですが、十三夜は日本独自の風習らしいですよ。

21時現在、大阪は残念ながら雲で見えません。


ところで。
「十三夜」という樋口一葉(ひぐちいちよう:1872-1896)の小説があります。
恥ずかしながら小説は読んだことはありません。
でも、新派公演は見たことがあります。
かなり昔のことです。

主人公の「お関」は玉三郎でした。
丸髷(多分)に、黒の長羽織。
「録之助」は安井昌二(1928-2014)だったかな-。
こちらは散切りです。

ザッとしたあらすじは。
(第一場)
十三夜の夜、高級官吏の妻となっているお関が、突然実家を訪れる。
喜んで迎える両親も、いつまでも帰ろうとしないお関をいぶかしく思う。
お関は、夫の精神的虐待に7年間我慢を重ねた上の、離婚の決意を涙ながらに語る。
母は、お関の夫の仕打ちに大いに憤慨する。
しかし、父は静かにお関を諭し、同じ泣くなら母として泣け、と説得する。
お関も、死んだ気で魂が子を守ると思えば辛抱できると、婚家へ帰ることを決意する。
(第二場)
決意を秘めての帰路。
たまたまお関が乗った人力車を引いていたのは、幼なじみで初恋の録之助だった。
録之助は、お関の嫁入り後、放蕩にあけくれ、家をつぶして、妻子とも別れ、投げやりな生活を送っていたのだった。
まさかの再会に驚いた二人だったが、もうお互いが別の人生を歩んでいることを知り、淡々と別れていく。
そうした憂き世を月が静かに照らしているのであった。


明治の女性は、新派の真骨頂。
嫁いだ娘を思う老母と老父の気持ちや、幼い子を思う若い母の気持ちが、なめらかなリズムのある台詞で、直接響いてきます。

お互いに淡い思いを秘めていたお関と録之助ですが、今さらどうしようもありません。

それが憂き世。
それが現実。

その様子を俯瞰しているのは、美しい十三夜でした。
20161013 十三夜
(資料:十三夜の月)



この世界を23歳の一葉が描いたのが驚きです。


美しき傍観者は、「十三夜」の月か。

はたまた、若き樋口一葉か。






▽コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | HOME | 

プロフィール


fumiko

Author:fumiko
1954年生まれ
大分県別府市出身
大阪市在住

【きもの教室(お抹茶つき)】
●とき:月1回 火or木曜日 18:45~21:00
●場所:大阪OCAT4階「大阪市立難波市民学習センター」和室
●内容:外出着の着装・お抹茶のいただき方 
●お問合せ:コメント欄をご利用ください。

【資格】
●公益社団法人全日本きものコンサルタント協会会員(1級きものコンサルタント) 
●表千家茶道講師
●中高教員免許(国語)

【趣味】
●きもの:2010年に装道礼法きもの学院大阪校入学。現在は礼法科に在籍。
●茶道:中2から始め、今も稽古に通っています。
●日本舞踊:若い頃に10年ほど稽古し、2013年再開。
●能鑑賞:2016年から積極的に見始めました。


最新記事



最新コメント



月別アーカイブ



カテゴリ


コーディネート (341)
季節の行事と日本のしきたり (116)
研修・見学 (93)
能楽つれづれ (30)
他装あれこれ (13)
自装ポイント (8)
お知らせ (10)
教室だより (22)
未分類 (4)


検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク


このブログをリンクに追加する


QRコード


QR