fumiko先生のキモノ手帖

ゆかしい「きもの」を軸にして、季節の行事と日本のしきたり、お茶、日本舞踊、能などについて、日々の発見や思いをつづります。     小さな「きもの教室」(難波市民学習センター)の、過去・現在・未来の生徒さんたちへの通信も兼ねて。
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 藍染余話 「伊勢音頭」 

2016/09/28
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fumikoです。
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先日、徳島県藍住町「本藍染矢野工場」を訪問させていただきました。
よろしければ9月24日・26日の記事もご覧ください。
帰宅後、藍染についてアレコレ調べていると、「藍玉」という言葉が出てきました。
「藍玉」は蒅(すくも)を、運搬しやすいように、臼で突き固めて乾燥させて扁円形の小さな塊にしたもの。(Wikipedia)

「藍玉」かー。
ん?
そういえば、藍玉屋北六という登場人物が出てくる歌舞伎があったなー。
あー、そうそう、「伊勢音頭」よね。

ちゃんと書くと「伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」。
主人公の福岡貢(ふくおかみつぎ)は、白の十字絣に黒の紗の羽織。
この透け感が、何とも夏らしい!
20160928 伊勢音頭恋寝刃

この話、歌舞伎にはありがちですが、すっごく長い。
普通は「油屋」という場面しかでません。

ジャンルは「お家騒動もの」です。

「油屋」までのあらすじは。
阿波のお殿様のお家乗っ取りをたくらむ悪い奴らが、家宝の青江下坂という名刀とその折紙(おりかみ:鑑定書のこと)を盗みました。
刀を管理していたご家老様の家が断絶になります。
悪人たちはこのご家老様が一番ジャマだったのです。
ご家老様の息子の今田万次郎くんが浪人して刀と折紙を探しています。

この万次郎くんに協力しているのが、主人公の福岡貢です。
職業は、伊勢神宮の御師(おんし:お伊勢参りのツアコン兼神官みたいなもの)。
当時のお伊勢参りは絶大な人気で、このお芝居自体、伊勢観光案内です。

せっかく刀と折紙を手に入れたのに、万次郎くんはなんと、遊女のお岸ちゃんと遊ぶために、刀を質に入れちゃった。
折紙もすられてしまう。
ダメンズです。

さて「油屋」。
「油屋」は、伊勢の古市(ふるいち)に実在した大きい遊郭です。
ここに福岡貢が、刀を取り戻し、それを万次郎くんに知らせに来ましたが、ちょうどいない。
ここで待つことにします。

この「油屋」に逗留しているのが、徳島岩次という侍と、そのツレの藍玉屋北六という商人です。

あー、やっと登場しました!

貢は、コイツラアヤシイ、どうも悪人側っぽい、「折紙」持ってるっぽい、とにらんでいます。

仲居の万野が登場。
万野は、人気遊女のお紺さんと貢が「恋仲」なのが気に入りません。
おまけにツケもたまっているのに威張っている、と。
まあ、とにかく奥へ。

「お紺」って良い名前ですねー。
「本藍染矢野工場」の、作業場の桶の中で光っていた紺色を思い出します。

人がいなくなったのをいいことに、藍玉屋北六が、青江下坂の刀身を徳島岩次の刀身と入れ替えます。
これで青江下坂に見える刀は、実はなまくら。
これに気づいたのは喜助どん(貢の見方です)。

いろいろあって、福岡貢はお紺さんから愛想づかし(実はお紺さんのお芝居)されて、キレます。
喜助どんから、外はなまくら、実は青江下坂の刀を渡されても、気付く余裕なしです。

喜助どんも言ってよねー。

お紺さんは、その芝居のおかげで、このアヤシイ二人、藍玉屋北六と徳島岩次が持っていた「折紙」をゲットします。

お紺さんも、喜助どんも、打ち合わせ無しで事を運んだので、肝心の貢はなーんにも知りません。

これが問題だー。

貢は慌てて戻ってきて、言い争っているうちに、知らず知らずに万野を斬ってしまいます。

さすが青江下坂。
切れ味抜群です!

このあと貢はまるで、スローの画像のように殺戮を続けます。
徳島岩次も藍玉屋北六も他の遊女も次々に斬り殺されて、白地に十字絣の貢の衣裳は、血みどろ。
むごたらしいけど、ある意味、夏芝居らしい場面です。

同時に「油屋」の座敷では「伊勢音頭」の「総踊り」が賑やかに進行しています。

最後は、貢とお紺さんと喜助どんがそろって、めでたしめでたしとなります。
そんだけ殺しといて何がめでたいん?って感じですが。


福岡貢は、私が見ていた頃は、今の片岡仁左衛門さんが良かったですよー、ウフ。



ちなみに、伊勢音頭の総踊りが、京の春を彩る「都をどり」の原型らしいです。






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プロフィール


fumiko

Author:fumiko
1954年生まれ
大分県別府市出身
大阪市在住

【きもの教室(お抹茶つき)】
●とき:月1回 火or木曜日 18:45~21:00
●場所:大阪OCAT4階「大阪市立難波市民学習センター」和室
●内容:外出着の着装・お抹茶のいただき方 
●お問合せ:コメント欄をご利用ください。

【資格】
●公益社団法人全日本きものコンサルタント協会会員(1級きものコンサルタント) 
●表千家茶道講師
●中高教員免許(国語)

【趣味】
●きもの:2010年に装道礼法きもの学院大阪校入学。現在は礼法科に在籍。
●茶道:中2から始め、今も稽古に通っています。
●日本舞踊:若い頃に10年ほど稽古し、2013年再開。
●能鑑賞:2016年から積極的に見始めました。


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