fumiko先生のキモノ手帖

ゆかしい「きもの」を軸にして、季節の行事と日本のしきたり、お茶、日本舞踊、能などについて、日々の発見や思いをつづります。     小さな「きもの教室」(難波市民学習センター)の、過去・現在・未来の生徒さんたちへの通信も兼ねて。
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 能「老松」 

2018/02/13
こんにちは。
fumikoです。


少し前ですが、先月1月6日に大阪「山本能楽堂」の「たにまち能」に行きました。
能は「老松」と「胡蝶」。
20180213 1

舞台に注連縄(しめなわ)は、お正月のお約束です。
20180213 2


まずは「老松」。
「老松」は「追い松」だとご存じでしたか?
(「老ゆ」と「追ふ」の活用に違いは無視していいのだと思います)
「飛び梅伝説」とともに「追い松伝説」があるんですって!
私は、恥ずかしながら、知りませんでした。

平安時代。
太宰府に流されることになった菅原道真公は、自邸の梅の木に向かい、
「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春な忘れそ」
という歌を残しました。
すると、梅は主人を慕うあまりに、太宰府に飛んできたのでした。
これが「飛び梅伝説」です。

京都の邸宅には、その梅と並んで、桜と松が生えていました。
桜の木は、道真公が梅にばかり歌を残したことを悲しんで枯れてしまったと言います。

その報せを配所で聞いた道真公は、
「梅は飛び桜は枯るる世の中に何とて松のつれなかるらん」
という歌を詠みました。

今度は道真公に「つれない」と咎められた松が、梅の後を追って太宰府へとやって来たのでした。
これを「追い松(老松)」と言います。


ここで思い出すのが、歌舞伎の「菅原伝授手習鑑」。
梅王丸は道真公を追い、
桜丸は自害して、
松王松は、咎められたことを無念に思って息子の命を差し出します。

歌舞伎作者の「三段跳び的想像力」にただ驚くばかりです!



では本日は、能「老松」についてです。

能「老松」
●主な登場人物(主な装束)と配役
前シテ:尉(大口)山本章弘
後シテ:老松の精(初冠狩衣大口)
前ツレ:男(直面水衣大口)山本麗晃
後ツレ:紅梅殿 林本大
ワキ:梅津某 福王知登

●能の種類
一番目物 脇能 老神物

●あらすじ
都に住む梅津某(ワキ)が、太宰府の安楽寺に参詣すると、老人(シテ)と若い男(ツレ)が現れ、
境内の飛び梅(紅梅殿)・老松の謂われを語り、姿を消す。
実は、この二人こそ、梅・松の化身なのであった。

夜、某の夢枕に、松の精(後シテ)と梅の精(後ツレ)が現れ、舞を舞い、御代を寿ぐ。
(「銕仙会」のサイトを参考にしました)



「君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」の歌が終曲部に引かれています。

お正月にふさわしい、祝言の曲でした。




▽コメント

「胡蝶」は前に見ましたが、「老松」はまだ見たことがありません。
興味深く読ませていただきました。
「飛び梅伝説」は知っていますが「追い松伝説」は初めて知りました。
歌舞伎の「菅原伝授手習鑑」にはこんな背景があるんですね。
「三段跳び的想像力」、本当にすごい!
山本章弘さんのシテはいかがでしたか?

桂さん

コメントありがとうございます。


シテ、ツレ、ともに素晴らしかったですよ。
山本能楽堂は舞台が近いので、迫力がダイレクトです。

是非またご訪問ください。
よろしくお願いいたします❗

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プロフィール


fumiko

Author:fumiko
1954年生まれ
大分県別府市出身
大阪市在住

【きもの教室(お抹茶つき)】
●とき:月1回 火or木曜日 18:45~21:00
●場所:大阪OCAT4階「大阪市立難波市民学習センター」和室
●内容:外出着の着装・お抹茶のいただき方 
●お問合せ:コメント欄をご利用ください。

【資格】
●公益社団法人全日本きものコンサルタント協会会員(1級きものコンサルタント) 
●表千家茶道講師
●中高教員免許(国語)

【趣味】
●きもの:2010年に装道礼法きもの学院大阪校入学。現在は礼法科に在籍。
●茶道:中2から始め、今も稽古に通っています。
●日本舞踊:若い頃に10年ほど稽古し、2013年再開。
●能鑑賞:2016年から積極的に見始めました。


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