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fumiko先生のキモノ手帖

ゆかしい「きもの」を軸にして、季節の行事と日本のしきたり、お茶、日本舞踊、能などについて、日々の発見や思いをつづります。     小さな「きもの教室」(難波市民学習センター)の、過去・現在・未来の生徒さんたちへの通信も兼ねて。
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 能「玄象(げんじょう)」 

2018/02/12
こんにちは。
fumikoです。



昨日、大阪天満宮前の「朝陽会館」で、仕舞「玄象(げんじょう)」を見ました。
20180212 3 (2)  
「琵琶」「箏」とのコラボでした。
(よろしければ昨日の記事もご覧ください)


本日は、能「玄象」についてです。

「玄象」とは、琵琶の名器の名前。
村上天皇が所有していたとされるそうです。

『平家物語』巻7の「青山の沙汰のこと」には、
仁明天皇の御代、掃部頭貞敏が渡唐した際、青山、玄象、獅子丸の3面の琵琶を授かり、海を渡ってきたが、龍神が惜しんだのか波風が荒くなってきた。
そこで獅子丸を海に沈め、他の2面を持ち帰り、天皇に捧げてお宝とした、
という趣旨の記述があります。
(「日本古典文学摘集」というサイトを参考にしました)

能「玄象」
●主な登場人物(主な装束)
前シテ:尉(無地熨斗目または小格子、水衣、腰蓑)
後シテ:村上天皇(初冠、紅入縫箔、指貫、単狩衣)
ツレ:藤原師長(もろなが)(風折れ烏帽子、厚板、指貫、単狩衣)
前ツレ:姥(摺箔または無地熨斗目、縷水衣)
後ツレ:龍神(赤頭、輪冠龍戴、紅入段厚板、赤地半切、法被)
ワキ:師長の従者(厚板、白大口、法被)

●能の種類
切能 五番目物 

●あらすじ
琵琶の名手・藤原師長(ツレ)と従者(ワキ)の一行が登場。
入唐を思い立ち、都を出て、須磨の浦に着いた。

尉(シテ)と姥(ツレ)の老夫婦が登場。
師長一行は老夫婦の塩屋で一夜の宿を借りる。
師長が琵琶を弾くうち、村雨が降り出す。

老夫婦は屋根に苫(とま)を敷き、雨の音と琵琶の音の調子を合わせるのだった。

尉(前シテ)は、絶対音感の持ち主だ!

その対処に感心した師長は、老夫婦に一曲を所望し、
尉は琵琶を、姥は琴で越天楽を奏でます。

ここは地謡が「越天楽の唱歌の聲。梅が枝にこそ。鶯は巣をくへ。風吹かば如何にせん花に宿る鶯。」と謡うところ。
20180212 1
(イラスト:渡辺睦子氏。昨日のプリントからお借りしました。)
昨日は、実際の琵琶と箏で演奏しました。

その素晴らしさに師長は入唐しようとした自らを恥じ、都に帰ると言う。
老夫婦は師長を引き止めて、自分達は玄象の主である村上天皇と梨壺女御の霊であり、師長の入唐を留めるために現れたのだと告げて姿を消す。

唐に行かなくても、日本が一番よ、ということなのですね。

村上天皇の霊(後シテ)が登場。
下界の龍神に獅子丸を持参するように命令し、師長に渡す。

師長が琵琶を弾くと、村上天皇の霊も舞を舞う。
20180212 2
(イラスト:同上)
昨日は、琵琶と箏にあわせて、仕舞を見せていただきました。
「獅子団乱旋(ししとらでん)」という曲です。

村上天皇の霊は天上へ昇り、師長は、琵琶を携えて都へと帰って行く。
(「大槻能楽堂」のサイトを参考にしました)



優れた日本を見直し、渡唐の修行を諦めさせる曲想は、奈良の春日大社が舞台の「春日龍神」と同じですね。
(よろしければ2016/10/14の「春日龍神」の記事もご覧ください。)

でも、「諦めさせる」ということは、
裏を返せば、外国に対する捨てがたい「あこがれ」があった、ということ。


芸能は文化史そのものですね。





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プロフィール


fumiko

Author:fumiko
1954年生まれ
大分県別府市出身
大阪市在住

【きもの教室(お抹茶つき)】
●開催日:月1回 Aクラス=火or木曜日 Bクラス=木曜日or金曜日 
●時間:18:45~21:00
●場所:大阪OCAT4階「大阪市立難波市民学習センター」和室
●内容:外出着の着装・お抹茶のいただき方 
●お問合せ:コメント欄をご利用ください。
※いつからでも始められます。始めた月から12ヶ月以上続けることをお薦めします。

【資格】
●公益社団法人全日本きものコンサルタント協会会員(1級きものコンサルタント) 
●表千家茶道講師
●中高教員免許(国語)

【趣味】
●きもの:2010年に装道礼法きもの学院大阪校入学。現在は礼法科に在籍。
●茶道:中2から始め、今も稽古に通っています。
●日本舞踊:若い頃に10年ほど稽古し、2013年再開。
●能鑑賞:2016年から積極的に見始めました。


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